私の履歴書

幼い頃の私は、微笑みひとつで人の輪に溶け込める女の子でした。
元気で、好奇心旺盛で、誰かと心を通わせることがごく自然だった。
その感覚は、大人になった今も、私の奥で静かに息づいています。

学生時代、美術コンクールに入賞したことがあります。
言葉にならない想いを、そっと形にすること。
内側に秘めた感情を差し出す喜びを、私はその頃に知りました。

大人になったと実感したのは、一人で異国を旅した時。
頼れるのは自分だけという場所で、世界の広さと、
その中で揺らがずに立つための小さな強さを身につけました。

社会に出てからは営業職として人と向き合い、
学生時代には結婚式場で、幸せの一瞬に寄り添う仕事を経験しました。
人の声に耳を澄まし、空気を読み、必要な一歩を自然に差し出す。
そこに、私が私でいられる居場所がありました。

弱さも、隠しません。
押しに弱いところ。
けれど今は、それを“委ねられる柔らかさ”だと思えるようになりました。

「仕事を覚えるのが早いね」
その言葉は、今も胸に残っています。
期待に応えたい、触れた想いを大切にしたい。
その気持ちに、嘘はありません。

SMという世界を知ったのは、友人の何気ない誘いからでした。
最初は、非日常で、どこか遠い世界。
不安と緊張が、胸の奥で静かに混ざり合っていました。

それでも一歩踏み出した先で、私は新しい自分に出会います。
知らなかった感覚、解けていく心。
恥じらいさえも、心を開くための甘いスパイスに変わっていきました。

さらけ出すほどに、心がほどけていく。
限界に触れ、委ね、受け止めてもらう時間。
それは今では、身体の奥に余韻として残る、静かな心地よさです。

「よく頑張ったね」
その一言をもらうたび、胸の奥があたたかく満たされます。
この仕事を始めてから、私は本気で“感じること”を覚えました。
そして、自分の中にある歪さや欲望さえ、愛おしいものとして受け入れられるようになったのです。

ご主人様には、日常を忘れるような時間を。
やさしさと刺激が、ゆっくりと交差するひとときを。
心も身体も、自然にほどけていく感覚を味わってほしい。

まだ未熟なところもあります。
それでも、もっと深く、もっと自由に。
私は自分を磨きながら、成熟していきたいと思っています。

未来のご主人様へ。
不器用でも、真摯に、丁寧に向き合います。
どうか、私という時間を、ゆっくり楽しんでください。